会話の後、ふと
「今の言い方、変だったかも」
「気を悪くさせたかもしれない」
と考え込んでしまう。
本当はもっと言いたいことがあったのに、
相手の表情がわずかに曇った気がして、
つい言葉を飲み込んでしまう。
そんなふうに、人に嫌われることを
必要以上に恐れてしまう瞬間は
ないでしょうか。
「嫌われたくない」という感覚は、誰にでもある
嫌われたくないという気持ちそのものは、
特別なものではありません。
人との関係を大切にしたいと思えばこそ、
相手にどう思われるかが気になるのは
自然なことです。
ただ、その気持ちが強くなりすぎると、
会話の主導権が常に相手の反応側に
移ってしまいます。
自分がどう感じているかよりも、
相手がどう感じているかを
先に読み取ろうとする。
そうしているうちに、
自分の本音がどこにあったのか、
わからなくなっていくことがあります。
なぜ、相手の顔色を先に読んでしまうのか
顔色をうかがうクセには、
これまでの経験が影響している
ことがあります。
私自身、新卒で入った職場で、
先輩から「顔色をうかがう
クセがあるよね」
と言われたことがあります。
それまで自分では、まったく
意識していませんでした。
指摘されて初めて、自分の
行動を振り返ってみたのです。
すると思い出したのは、
きょうだいの中で育った
子ども時代のことでした。
誰かの機嫌が悪くなったり、
場の空気が変わったりするのを
敏感に感じ取っては、
それとなく自分の言動を
調整しながら過ごしていた
記憶があります。
当時は「気を遣っている」
という自覚すらなく、
ただそれが自分にとっての
当たり前の振る舞いに
なっていたのだと思います。
こんなふうに、顔色をうかがう
クセは、誰かに指摘されるまで
自分では気づきにくいものです。
そして、その根っこをたどると、
意外と昔の何気ない場面に
行き着くことがあります。
もちろん、背景は人それぞれで、
必ずしも子ども時代とは限りません。
ただ、「相手の反応を先に確かめて
おけば、その場がうまく収まる」
という学習が、
これまでの経験の積み重ねから
生まれていることもあります。
これは弱さではなく、その時々の
環境の中で、自分なりに
身につけてきた一つの技術
だったのだと思います。
問題は、その技術がずっと
同じ場面だけでなく、
あらゆる人間関係に自動的に
適用されてしまうことです。
今は安全な相手にまで、かつて
必要だった警戒を向け続けてしまう。
そうなると、相手の反応を確かめる
ことが習慣になり、本来の自分の
意思決定が後回しになっていきます。
顔色をうかがうことで、失っているもの
相手の反応を優先し続けると、
その場はうまく収まるように見えます。
けれど、積み重なるうちに
失っているものもあります。
一つは、自分の本音を言葉にする
機会です。
言いたいことを飲み込む
回数が増えるほど、
自分でも「本当はどう思っているのか」
が分かりにくくなっていきます。
もう一つは、対等な関係です。
相手の顔色を常にうかがう関係は、
どちらか一方が我慢することで
成り立つ関係になりやすく、
長く続けるほど疲れが蓄積していきます。

「嫌われても大丈夫」に近づくために
嫌われることへの恐れを、
いきなりゼロにする必要はありません。
むしろ、大きく変えようとするほど
反動が来やすくなります。
現実的なのは、「言うか言わないか」を、
相手の顔色ではなく、自分の内面を見て
決めることです。
これまでのように、相手がどう感じそうかを
先に読んで言葉を選ぶのではなく、
自分が今どう感じているか、
何を伝えたいのかを先に確かめてから、
言うか言わないかを自分で選ぶ。
小さな違いに見えますが、
これは主導権を相手から
自分に取り戻す練習でもあります。
ランチの行き先を決めるとき、
ミーティングで一言意見を伝えるとき。
相手の反応を先読みするのではなく、
まず自分の中に答えを探しに行ってみる。
嫌われることを恐れているとき、
私たちはまだ何も起きていない段階で、
すでに「嫌われた後」を先取りして
身構えていることがあります。
頭の中で予期している反応と、
実際に相手から返ってくる反応は、
必ずしも同じではありません。
自分の中で確かめた気持ちを、
実際に言葉にして届けてみることで、
その予期と現実の差にも
気づけるようになります。
恐れていたほどの反応が返ってこない
こともあります。
相手や状況によっては、本当に嫌な反応が
返ってくることもありますが、
それでも一つひとつの経験が、
「顔色を先に読まなくても
大丈夫だった場面もある」
という手ごたえになり、
少しずつクセを書き換えていきます。
まとめ
人に嫌われるのが怖いという感覚は、
誰の中にもある自然な反応です。
ただ、それが顔色をうかがうクセとして
固定化してしまうと、自分の本音や
対等な関係を手放すことにつながります。
正直なところ、私自身、この感覚が
今も完全になくなったわけではありません。
それでも、少しずつ
「顔色を先に読まなくても大丈夫だった」
場面を積み重ねていくことはできると感じています。
繊細さが強い方や、周囲の変化を
敏感に感じ取りやすい方は、
こうした反応が強く出ることもあります。
HSS型HSPについて詳しく知りたい方はこちら。
一人で考えていると、同じところを
ぐるぐる回ってしまうこともあります。
そんなときは、誰かと一緒に
整理することで、見えてくるものもあります。
もし一人では難しいと感じたら、
モニターカウンセリングで
一緒に整理していきましょう。
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